口腔機能低下症
ORAL FLAIL

様々な要因により、
口の機能が低下する疾患
口腔機能低下症
口腔機能低下症はオーラルフレイルとも呼ばれており、咀嚼や嚥下、発音の機能が低下するほか、唾液の分泌が悪くなったり、感覚が衰えたりします。
原因は加齢や疾患の影響などさまざまです。悪化すると飲食がしにくくなるだけでなく、全身の衰えにつながることもあり、要介護状態につながりやすいことも知られています。
こんな症状はありませんか?
- 固い物が食べずらくなった
- 食事の際に食べこぼしをするようになった
- 薬を飲み込みずらくなった
- 滑舌が以前より悪くなった気がする
- 食事の時にむせてしまうことがある
- 口がよく乾くようになった
- 食事にかかる時間が長くなった
- 口の中がねばつくようになった
口腔機能低下症と
全身的な健康

口腔機能低下症になると摂食嚥下障害や咀嚼機能不全を伴うことが多いため、放置すると身体の健康を維持するうえでさまざまな問題が起こります。
摂食嚥下障害の主な症状としては、飲食物を飲み込みにくくなることや、胃食道逆流がおきること、むせやすくなることなどが知られており、このため栄養補給に支障が出ます。
するとしだいに身体の機能が低下していくうえに、他者とのコミュニケーションがしにくくなって社会的に孤立しやすくなるため、うつや認知症になるリスクも上がります。
口腔機能低下症の
診断方法について
以下の症状のうち3つ以上当てはまる場合、口腔機能低下症の可能性があります。
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口腔衛生状態不良の評価
口腔衛生状態の評価では、舌の表面に見られる舌苔の付着度を、舌を9分割して確認します。
舌苔が多いと、セルフケアの不足や舌機能の低下が考えられるため、当院では状態にあわせて適切なアドバイスを行っています。 -
口腔乾燥の評価
お口の乾燥度合いは唾液の量を測って評価します。年齢が上がるとドライマウスなどの口腔内が乾燥する状態になりやすいですし、回復もしにくくなります。
そのため、日頃から口腔体操や唾液腺マッサージを行って、口腔乾燥を防ぎましょう。 -
舌口唇運動機能低下の評価
舌口唇運動機能低下の評価は、口唇や舌を動かす機能の確認や運動速度で行います。
パッ、タッ、カッなどの音を連続して発音していただき、1秒あたり何回発音できたかを確認します。 -
咬合力低下の評価
咬合力を評価する際には、歯の残存数や状態を確認します。動揺度3の歯(歯周病でぐらついている歯)と根だけの歯をのぞいた歯が20本より少ない場合、咬合力が低下していると判断します。
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低舌圧の評価
舌圧の測定は、専用測定器の端子を、舌の力で硬口蓋に押し付けて、その際に発生している圧力を測ります。最大舌圧が30kPaに達していない場合、低舌圧であると評価されます。
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嚥下機能低下の検査
検査方法はいくつか種類がありますが、当院では質問票に記入していただいた内容によって、嚥下機能を評価していきます。
口腔機能低下症は早期発見・早期予防が重要です

口腔機能低下症はお口の機能が低下する疾患ですが、そのダメージはお口の中だけにとどまらず全身におよぶことがあり、特に高齢の方の場合要介護状態につながりがちです。
しかし口腔機能が低下しつつあることが早期に発見できれば、機能の維持や回復がしやすいですから、ぜひ半年に1回程度は検査を受けてください。